Facioの概要
Facioは、GAMESSとGaussian,MOPAC,UTChemなどの分子軌道計算プログラム用プリポスト/可視化プログラムで、OpenGLを使った精細なグラフィックや市販プログラムに類似した操作性,z-matrixを意識しない入力作成など、計算初心者にも優しく、且つ中級者にも魅力的なプログラムです。
分子グラフィックについてはMolekelと負けず劣らず高度で、非常に精細な分子モデルを作成することが可能です。また、出力可視化についても優秀で、分子軌道はもちろん、IR/Ramanスペクトル,IRCなど多様な出力に対応しています。分子力学プログラム集Tinkerの構造最適化プログラムを利用して簡易最適化を行ったり、核酸/ペプチド自動生成プログラムを利用して核酸のモデリングを行うことも可能です。
分子のモデリング
Facioは基本的に分子をモデリングするソフトです。分子構造のフォーマットとしてはPDB形式を基本とし、XYZやMOLファイルを読むことができます。実際のモデリングは何かPDBファイルを開くところから始まります(Winmostarのように最初にC-Hが置かれているわけではありません)。読み込んだ分子に部品を付け足していきますが、部品としては基本的なものがメニューに含まれており(メチル基,フェニル基,ホルミル基など)それだけである程度は組むことができます。より手の込んだ置換基は、別のPDBファイルを読み込んで連結させることもできます。Fig.1はナフタレンにアダマンタンを連結しようとしているところです。計算用入力ファイルの作成・実行
Facioのもう一つの重要な側面として、計算のための入力の作成機能と実行機能があります。キーワードを手入力するのではなく、プルダウンメニューなどで選択するだけで入力ファイルを作成できる点が大きな特徴で、簡単な操作で分子軌道計算を実行できます。Fig.2はPC GAMESS用の入力作成画面で、このカラフルなダイアログで多くのオプションを選択することができます。また、ここに無いキーワードを追加したときにも、プレビュー画面で手書き追加できます。出力データの可視化
Facioは計算を実行するだけでなく、その結果出力されるさまざまなデータを、数字の羅列から視覚データに変換することができます。計算により最適化された構造はもちろん、分子軌道,電子密度といった基本的なものから、IRスペクトルやNMRといった分光学的データ,IRCのような反応追跡データなど、多様な出力を可視化できます。Fig.3は、GAMESSで最適化されたフェロセンのHOMOをメッシュモデルで可視化したもので、どの原子にHOMOが分布しているかが一目でわかります。[上記はver.10.6.2に基づいて書かれています。最新バージョンでは更なる機能追加や仕様変更が行われると思われますので、Facio配布ファイルに同梱のDocumentsも併せて参照下さい。]