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    <updated>2009-11-14T08:54:16Z</updated>
    <subtitle>Desktop Chemistry on Personal Computer.</subtitle>
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    <title>スケーリング(系のサイズと計算時間の関係)の比較</title>
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    <published>2009-11-14T07:32:39Z</published>
    <updated>2009-11-14T08:54:16Z</updated>
    
    <summary> 量子化学計算を行う際、当然系が大きくなるとそれだけ計算時間がかかるわけですが、...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
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            <category term="(A-00)フリーのプログラム" />
            <category term="(A-02)GAMESS" />
            <category term="(A-03)ORCA" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[<p>
量子化学計算を行う際、当然系が大きくなるとそれだけ計算時間がかかるわけですが、系が倍になれば計算時間も倍かというと、そうはいきません。系のサイズN(通常基底関数の数や単位構造の数をとります)に対して、理論上の計算時間はHFは4乗、MP2は5乗、CCSD(T)は7乗に比例し(これをスケーリングといいます)、計算対象が大きくなると急激に計算時間が延びることが容易に理解できます。
</p>
<p>
このスケーリングを小さくし、系のサイズの1乗に比例する＝リニアスケーリングに到達することが現代計算化学の目標とされているわけですが、そう簡単には到達しません。今使えるプログラムの各種理論モデルはどれくらいのスケーリングなのか、GAMESS(US)・PC GAMESS/Firefly・ORCA(とおまけでPRIRODA)の比較をしてみました。
</p>]]>
        <![CDATA[<h4 class="hddr">条件設定</h4>
<p>
スケーリングは系のサイズと計算時間を両対数プロットすることで、直線の傾きとして得られます。計算対象としてポリチオフェン(チオフェン(n=1),ビチオフェン(n=2),クアテルチオフェン(n=4),オクチチオフェン(n=8))を選び、基底関数としてcc-pVDZまたはDef2-TZVPを選びました(PRIRODAではL1≒cc-pVDZを選択)。共通の理論モデルとしてHF,MP2,BLYP,B3LYPを、FireflyとORCAについてはTPSS,TPSShを選び、ORCAのみB2PLYPも入れました。全てのプログラムは同じPCで4スレッド並列で行いました(OS:Fedora 10,CPU:Core 2 Extreme QX9650、詳細は<a href="http://pc-chem.info/z00/post_9.html">筆者の計算環境</a>参照)。計算時間はCPU時間ではなく、実際にI/O待ち等含めて計算に要した時間です。
</p>
<br />
<h4 class="hddr">結果</h4>
<p>
まずはHF/cc-pVDZから。<br />
※凡例のカッコ内の値がスケーリング(計算時間がnの何乗に比例するか)です
</p>
<a href="http://pc-chem.info/img/rhf-ccd.gif"><img alt="rhf-ccd.gif" src="http://pc-chem.info/img/rhf-ccd-thumb.gif" width="450" height="384" /></a>
<p>
GAMESSとFireflyはほぼ同じで、Fireflyの方が計算時間は1/3で済んでいます。ORCAは計算時間の延びが緩やかで、さらに大きいスケールではFireflyより計算時間が短くなると予想されます。PRIRODAは小さい分子で計算時間が短いですが、系が大きくなると急激に計算時間が延び、そのスケールは他の3プログラムよりかなり大きくなっています。
</p>
<br />
<p>
次にMP2/cc-pVDZ。
</p>
<a href="http://pc-chem.info/img/mp2-ccd.gif"><img alt="mp2-ccd.gif" src="http://pc-chem.info/img/mp2-ccd-thumb.gif" width="450" height="384" /></a>
<p>
HFとほぼ同じ傾向で、ORCAの効率の良さがより際立つ結果になっていますが、これはORCAのRI近似が非常に効いています。
</p>
<br />
<p>
今度はpure-DFTのBLYP/cc-pVDZ。
</p>
<a href="http://pc-chem.info/img/blyp-ccd.gif"><img alt="blyp-ccd.gif" src="http://pc-chem.info/img/blyp-ccd-thumb.gif" width="450" height="384" /></a>
<p>
GAMESSとFireflyが平行なのは変わりませんが、Fireflyの方が7倍速いです。またそれよりも更にORCAとPRIRODAが高速かつスケーリングも小さくなっています。ORCAはRI、PRIRODAはDensity Fittingによって(わずかに精度を犠牲にして)高速化を達成しています。
</p>
<br />
<p>
4プログラム共通は最後、hybrid-DFTのB3LYP/cc-pVDZ。
</p>
<a href="http://pc-chem.info/img/b3lyp-ccd.gif"><img alt="b3lyp-ccd.gif" src="http://pc-chem.info/img/b3lyp-ccd-thumb.gif" width="450" height="384" /></a>
<p>
GAMESSとFireflyの関係はBLYPと全く変わりません。ORCAのみ2以下のスケーリングを保っていますが、これはHF部分のRIJCOSXが効いていて、HFの時と同様より大きな系ではFireflyより高速になりそうです。
</p>
<br />
<p>
次のグラフはGAMESSとORCAの比較で、meta DFTのTPSS、hybrid meta DFTのTPSSh、double hybrid DFTのB2PLYP(これはORCAのみ)です。
</p>
<a href="http://pc-chem.info/img/metadhdf-ccd.gif"><img alt="metadhdf-ccd.gif" src="http://pc-chem.info/img/metadhdf-ccd-thumb.gif" width="450" height="384" /></a>
<p>
ORCAが非常に高速であることをはっきり示しています。B2PLYPはMP2計算が含まれているにも関わらず、GAMESSのDFTと同等のスケーリングになっています。
</p>
<br />
<p>
最後に、より大きな基底関数を使って負荷をかけた場合の結果を、FireflyとORCAの比較で示します(GAMESSとPRIRODAはメモリや計算時間の問題で断念)。
</p>
<a href="http://pc-chem.info/img/fvso-tzvp1.gif"><img alt="fvso-tzvp1.gif" src="http://pc-chem.info/img/fvso-tzvp1-thumb.gif" width="450" height="383" /></a><br />
<br />
<a href="http://pc-chem.info/img/fvso-tzvp2.gif"><img alt="fvso-tzvp2.gif" src="http://pc-chem.info/img/fvso-tzvp2-thumb.gif" width="450" height="382" /></a>
<p>
HFやDFTの項で「大きな系ではFireflyよりORCAが高速になりそう」と書きましたが、このグラフはまさにそうなっています。オクチチオフェン(n=8)では基底関数の数が1500程度になりますが、ORCAのBLYPでは7分で1点計算を終えることができます。構造最適化も数時間でできるレベルです。
</p>
<br />
<h4 class="hddr">まとめ</h4>
<p>
こうして全体を眺めてみると、理論値よりかなりスケールダウンされていることがわかります。特にpure-DFTは顕著で、ORCAやPRIRODAでの計算はリニアスケールに近くなっており、大きな分子の構造最適化や振動解析が実用的な時間でできそうです。<br />
個人的にGAMESSは遅いなぁと思っていたのですが(笑)、スケーリングはFireflyとほとんど変わらないのが驚きでした。Fireflyは計算速度に重点を置いて開発されているだけあって、GAMESSと比べて全てにおいて高速です。GAMESSでないとできない計算でなければ、Fireflyを使った方が環境にもやさしそうです。<br />
総合的にはORCAが全ての理論モデルについて優れていると言えます。特に大きい系においてはこの選択は揺るぎなさそうです。
</p>
<br />
<p>
[<a href="http://pc-chem.info/dat/polythiophene.zip">本稿で行った計算に使った座標(polythiophene.zip, 1.78 KB)</a>] 
</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>来場ありがとうございました</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=345" title="来場ありがとうございました" />
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    <published>2009-10-25T08:37:41Z</published>
    <updated>2009-12-13T07:43:44Z</updated>
    
    <summary> 「模型とモデルで知る未来を拓く分子の世界」にご来場頂いた方、ありがとうございま...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(Y-00)告知" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[<a href="http://www.ecosci.jp/sa09/"><img alt="sa09_banner2.jpg" src="http://pc-chem.info/img/sa09_banner2.jpg" width="450" height="89" /></a>

「<a href="http://www.ecosci.jp/sa09/">模型とモデルで知る未来を拓く分子の世界</a>」にご来場頂いた方、ありがとうございました。また、途中で通りがかりで参加しようとして席が空いていなかったばっかりに入れなかった方、申し訳ありませんでした。
ちょっと、いや大分詰めの甘い内容となってしまいましたが、何か感じ取っていただけるものがあれば嬉しいです。薬を創るのは大変ですよ(その"種"でさえ)。

参加報告が分子計算と視覚化研究会のアナウンスページ(上のバナーのリンク先)に公開されています。<s>そこで使用した資料のpdf版が見れるようになると思いますので、復習したい方や、当日来られなかった方も是非ご覧下さい。(掲載され次第こちらにその旨追記します)</s>
【2009/12/13】今回の資料の簡略版(体験学習部分を省略)を<a href="http://www.slideboom.com/">slideboom</a>で自由に閲覧できる形にしました。下の「続きを読む」をクリックして下さい。
※slideboomの情報を提供してくださった本間さんに感謝します！]]>
        <![CDATA[<div style="width:425px;text-align:left"><a style="font:14px Helvetica,Arial,Sans-serif;color: #0000CC;display:block;margin:12px 0 3px 0;text-decoration:underline;" href="http://www.slideboom.com/presentations/120195/%E5%88%86%E5%AD%90%E8%A8%AD%E8%A8%88%E4%BA%8B%E5%A7%8B%28Web%E5%85%AC%E9%96%8B%E7%89%88%29" title="分子設計事始(Web公開版)">分子設計事始(Web公開版)</a><object classid="clsid:d27cdb6e-ae6d-11cf-96b8-444553540000" codebase="http://fpdownload.macromedia.com/pub/shockwave/cabs/flash/swflash.cab#version=9,0,28,0" width="425" height="370" id="onlinePlayer"><param name="movie" value="http://www.slideboom.com/player/player.swf?id_resource=120195" /><param name="allowScriptAccess" value="always" /><param name="quality" value="high" /><param name="bgcolor" value="#ffffff" /><param name="allowFullScreen" value="true" /><param name="flashVars" value="title=分子設計事始(Web公開版)&url=http://www.slideboom.com/presentations/120195/%E5%88%86%E5%AD%90%E8%A8%AD%E8%A8%88%E4%BA%8B%E5%A7%8B%28Web%E5%85%AC%E9%96%8B%E7%89%88%29&mode=0&idResource=120195&siteUrl=http://www.slideboom.com&embed=1&startAuto=0&autoReplay=0&autoOpenShareScreen=1" /><embed src="http://www.slideboom.com/player/player.swf?id_resource=120195" width="425" height="370" name="onlinePlayer" type="application/x-shockwave-flash" pluginspage="http://www.macromedia.com/go/getflashplayer"allowScriptAccess="always" quality="high" bgcolor="#ffffff" allowFullScreen="true" flashVars="title=分子設計事始(Web公開版)&url=http://www.slideboom.com/presentations/120195/%E5%88%86%E5%AD%90%E8%A8%AD%E8%A8%88%E4%BA%8B%E5%A7%8B%28Web%E5%85%AC%E9%96%8B%E7%89%88%29&mode=0&idResource=120195&siteUrl=http://www.slideboom.com&embed=1&startAuto=0&autoReplay=0&autoOpenShareScreen=1" ></embed></object><div style="font-size:11px;font-family:tahoma,arial;height:26px;padding-top:2px;">View <a href="http://www.slideboom.com" style="color: #0000CC;">more presentations</a> or <a href="http://www.slideboom.com/upload" style="color: #0000CC;">Upload</a> your own.</div></div>]]>
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    <title>いくつか更新しました</title>
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    <published>2009-06-08T12:03:32Z</published>
    <updated>2009-06-08T12:09:45Z</updated>
    
    <summary>まずは、ORCAによる化学シフトの高速計算の記事を掲載しました。ORCAは、NM...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
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    </author>
            <category term="(Y-00)告知" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[まずは、<a href="http://pc-chem.info/a00/a03orca/orcaiglonmr.html">ORCAによる化学シフトの高速計算</a>の記事を掲載しました。ORCAは、NMR以外でもかなり使えるプログラムだと思います。

あと、「<a href="http://pc-chem.info/z00/">このサイトについて</a>」というコーナーを作りました。目的や、現在の私の計算機環境(記事中の計算時間を読者の環境に換算する際に参考になるかも)を記載してあります。

先月より始めたサイトの整理やほぼ終結しました。ほとんどの記事のURLが整理前と変更になっていますので、記事への直リンクは切れている可能性が高いです。一応、404のページにその辺を書きましたので、迷うことはないと思いますが…]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>筆者の計算環境</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/z00/post_9.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=325" title="筆者の計算環境" />
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    <published>2009-06-08T11:44:11Z</published>
    <updated>2010-02-20T12:18:58Z</updated>
    
    <summary>[2010/02/20現在] Windows機 CPUCore2 Quad Q9...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(Z-00)このサイトについて" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[[2010/02/20現在]<br />
<br />
<table border="1"><caption>Windows機</caption>
<tr><th>CPU</th><td>Core2 Quad Q9300 (2.50 GHz)</td></tr>
<tr><th>M/B</th><td>GA-G33M-DS2R (G33)</td></tr>
<tr><th>RAM</th><td>DDR2-800 8GB (2GBx4)</td></tr>
<tr><th>HDD</th><td>SATA2 500GB/7200rpm</td></tr>
<tr><th>OS</th><td>Windows Vista Business (32bit)</td></tr>
</table>
※RAMのうち4.7 GBをRAMディスクとして利用<br />
<br />
<table border="1"><caption>Linux機</caption>
<tr><th>CPU</th><td>Core2 Extreme QX9650 (3.00 GHz)</td></tr>
<tr><th>M/B</th><td>P5K PRO (P35)</td></tr>
<tr><th>RAM</th><td>DDR2-800 8GB (2GBx4)</td></tr>
<tr><th rowspan="4">HDD</th><td>SATA2 500GB/7200rpm [system]</td></tr>
<tr><td>SATA2 80GB(Intel製SSD)x2 (RAID0) [scratch1]</td></tr>
<tr><td>SATA2 128GB(Samsung製SSD)x2 (RAID0) [scratch2]</td></tr>
<tr><td>SATA2 16GB(ANS-9010) [swap]</td></tr>
<tr><th>OS</th><td>CentOS 5.4 (x86_64)</td></tr>
<tr><th>MPI</th><td>OpenMPI 1.4.1</td></tr>
</table>
※冬場は10%ほどOCして利用<br />
※Linux機はWindows機から制御(TeraTerm + FFFTP)<br />
<br />
<table border="1"><caption>プログラムのバージョン</caption>
<tr><th>MOPAC</th><td>6.06, 7.1(2006/08)</td></tr>
<tr><th>GAMESS(US)</th><td>2009.01(R3)</td></tr>
<tr><th>PC GAMESS/Firefly</th><td>7.1.G</td></tr>
<tr><th>ORCA</th><td>2.7.0</td></tr>
<tr><th>PRIRODA</th><td>6(2006/08/20)</td></tr>
<tr><th>ABINIT-MP</th><td>4.2(2009/06/01)</td></tr>
</table>]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>pc-chem.infoとは何か</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/z00/pccheminfo.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=324" title="pc-chem.infoとは何か" />
    <id>tag:pc-chem.info,2009://3.324</id>
    
    <published>2009-06-08T11:34:09Z</published>
    <updated>2009-06-08T11:43:37Z</updated>
    
    <summary>このサイトは、一般的なWindows PC上にお金を掛けずに計算化学環境を構築し...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(Z-00)このサイトについて" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        このサイトは、一般的なWindows PC上にお金を掛けずに計算化学環境を構築し、様々な計算(特に有機化学周辺)を行う方法などをまとめているものです。最近はLinuxも使い始めていますが…
量子化学計算プログラムとしてはMOPAC, GAMESS(GAMESS(US), PC GAMESS/Firefly)を中心に、可視化/モデリングソフトとしてはWinmostarを主に用いています。

私(s2k)の専門が有機合成であるため、その周辺分野に内容は偏っています。

        
    </content>
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<entry>
    <title>ORCAのIGLO法でNMR化学シフトの高速計算</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=323" title="ORCAのIGLO法でNMR化学シフトの高速計算" />
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    <published>2009-06-08T11:07:13Z</published>
    <updated>2009-06-09T11:50:27Z</updated>
    
    <summary> GAMESSを使ってNMRの化学シフトを計算することができますが(記事)、この...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(A-02)GAMESS" />
            <category term="(A-03)ORCA" />
            <category term="(B-00)実例集" />
            <category term="(B-01)分子・錯体の構造・性質" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[<p>
GAMESSを使ってNMRの化学シフトを計算することができますが(<a href="http://pc-chem.info/b00/b01/nmr_shielding_tensor.html">記事</a>)、この計算にはかなりの時間とメモリ量を要し、量子化学計算で算出する利点の数々もこのリソース消費との比較で霞んでしまうことがあります。<br />
商用プログラムでは化学シフトの高速計算を実現しているものもありますが、無償で利用可能なプログラムの中にも高速で計算できるものがあります。
</p>
<p>
ORCA(<a href="http://www.thch.uni-bonn.de/tc/orca/">http://www.thch.uni-bonn.de/tc/orca/</a>)は、ドイツ・ボン大学のFrank Neeseらによって開発・メンテナンスが行われているプログラムですが、このプログラムにはIGLO法によるNMR遮蔽定数計算が実装されています(しかもLinux版では並列化されています)。ORCAのIGLO法によるNMR計算では、GAMESSのGIAO法による計算に比べて圧倒的に計算時間が短く、しかもメモリ消費量も格段に少なくなっています。ppm換算で小数点以下1桁までしか出力されないため、<sup>1</sup>H-NMRの計算には不向きですが、<sup>13</sup>C-NMRの計算には十分活用可能です。
</p>
<p>
果たしてその精度はどれくらいなのか、実際にいくつかの有機分子で計算を行ってみました。
</p>]]>
        <![CDATA[<h4 class="hddr">代表的な有機低分子での計算</h4>
<p>
一般的な<sup>13</sup>C-化学シフトの範囲は0～220 ppmほどですので、その範囲をだいたい網羅するように9種類の有機分子を選び、CDCl<sub>3</sub>中での実測<sup>13</sup>C-化学シフト値<sup><a href="#ref1">※1</a></sup>をどれくらい再現できるかを調べました。9種の有機分子と、基準となるTMS(Tetramethylsilane)の構造を以下に示します。
</p>
<img alt="orca_iglo_01.gif" src="http://pc-chem.info/img/orca_iglo_01.gif" width="450" height="154" />
<p>
構造最適化と振動解析はB3LYP/Def2-SV(P) (溶媒和はCOSMO法でCHCl<sub>3</sub>を考慮)で行い、得られた構造を使い、HF/IGLO-II, BLYP/IGLO-II, B3LYP/IGLO-IIの3種類のモデル化学でIGLO法による遮蔽定数の計算を行いました。代表的な入力ファイルの一例を以下に示します。
</p>
(構造最適化と振動解析)
<div class="pretext">
! Opt NumFreq B3LYP Def2-SV(P) COSMO(Chloroform) PAL4
* xyz 0 1
C  0.234103  0.324176  0.000642 
C  1.759776  0.290960  0.002920 
C  -0.277286 1.761987  0.001167 
Cl -0.363785 -0.505351 -1.467017
Cl -0.368049 -0.508086 1.465001 
H  2.179696  0.808973  -0.890224
H  2.177034  0.805763  0.899165 
H  2.157568  -0.750753 0.001751 
H  0.080722  2.321192  0.896441 
H  0.081812  2.322311  -0.892960
H  -1.391245 1.811944  0.000409 
*
</div>
(遮蔽定数計算)
<div class="pretext" style="height:250px">
! RHF IGLO-II TightSCF SOSCF NODIIS COSMO(Chloroform) PAL4
* xyzfile 0 1 22-dichloropropane_optfreq_b3lyp-svp.xyz
%eprnmr ori IGLO
        Nuclei = all C { shift }
        end

$new_job
! BLYP IGLO-II TightSCF DIIS NOSOSCF Grid4 COSMO(Chloroform) PAL4
* xyzfile 0 1 22-dichloropropane_optfreq_b3lyp-svp.xyz
%eprnmr ori IGLO
        Nuclei = all C { shift }
        end

$new_job
! B3LYP IGLO-II TightSCF DIIS NOSOSCF Grid4 COSMO(Chloroform) PAL4
* xyzfile 0 1 22-dichloropropane_optfreq_b3lyp-svp.xyz
%eprnmr ori IGLO
        Nuclei = all C { shift }
        end
</div>
<p>
遮蔽定数計算の例を見るとわかるように、Gaussianのように複数のジョブをつなげて一つの入力にすることができます。構造最適化→振動解析→遮蔽定数計算を一つの入力ファイルで実施することも可能です(上記では2つに分けていますが)。また、構造最適化計算で出力されるxyzファイルを参照することで、座標の入力を省略することもできます。<br />
このような連続ジョブの利点は他にもあって、最初のジョブで得られたSCF軌道を次のジョブのinitial guessとして使うことが出来、これによってSCF計算のステップ数を削減できる可能性もあります。
</p>
<p>
さて、実測値と計算値の比較が以下のグラフになります。
</p>
<img alt="orca_iglo_02.gif" src="http://pc-chem.info/img/orca_iglo_02.gif" width="450" height="470" />
<p>
このグラフは、生の計算値と実測値の相関をExcelで計算し(切片0の線形近似)、その傾きの逆数でスケーリングしたものを計算値(scaled)として使っています。遮蔽定数の計算結果は、化学シフト値の増大に伴って実測とのずれが広がる傾向にあり、振動計算と同様にスケーリングすることで実測値との一致を良くすることができます(scaling factorの研究例もあるようです)。
</p>
<p>
こうして眺めてみると、HF(WFT)とBLYP(DFT)でその傾向が真逆であることがわかります。HFが30～100 ppmで過小評価、100～170 ppmで過大評価するのに対し、BLYPは40～100 ppmで過大評価、140以上で過小評価する傾向にあります。両者をハイブリッドしたB3LYPではその中間的な値となり、全体的によい一致を示しています。また、DFTでは塩素が結合した炭素の化学シフトを過大評価し、特に2,2-DichloropropaneのC2は大きく逸脱しています。実測値との誤差という意味ではDFT(特にhybrid DFT)が優れているようですが、大小関係の正確さという意味ではHFも優れています。
</p>
<br />
<h4 class="hddr">GIAO/GAMESS vs IGLO/ORCA</h4>
<p>
さて、計算時間がGIAO/GAMESSとIGLO/ORCAでどれくらい異なるかを比べたのがTable 1です。TMSの遮蔽定数計算における計算時間をGIAO/6-31G(d)とIGLO/6-31G(d)で比較しています(SOSCF, SCF convergence threshold=1.0d-7に共通設定)。<br />
言うまでも無く、圧倒的にORCAのIGLO法が速いです(100倍以上)。使用メモリ量についてはORCAの出力ファイルに記載されないため正確な数値はわかりませんが、明らかにORCAの方が少なくて済みます。
</p>
<table border="1"><caption>Table 1.</caption>
<tr><td></td><td colspan="2">Wall Clock Time (sec)</td></tr>
<tr><td></td><td>1 proc.</td><td>4 proc.</td></tr>
<tr><td>GIAO<br />(GAMESS(US) 2009R1)</td><td>4383.9</td><td>---</td></tr>
<tr><td>IGLO<br />(ORCA 2.6.35)</td><td>36.7</td><td>13.9</td></tr>
</table>
<br />
<h4 class="hddr">大きめな分子での計算</h4>
<p>
今までに計算してきた分子はいずれも小さなものでしたが、実際に計算したい分子というのはもっと大きいものです。
IGLO/ORCAが非常に効率よく<sup>13</sup>C-化学シフトの計算を行えることを先ほど示しましたので、より「現実的」なサイズの分子で計算を行ってみました。
</p>
<p>
Triamcinolone Acetonide(以下TAと略)は、分子量434.5の合成コルチコステロイドで、中時間作用型ステロイド系抗炎症薬として利用されています(参考：<a href="http://en.wikipedia.org/wiki/Triamcinolone_acetonide">英語版wikipedia</a>)。この分子の<sup>13</sup>C-NMRスペクトルは16.26～209.75 ppmと広範囲にピークが散在し、また配座が固定されているため、ベンチマークとして非常に都合の良い分子です。TAの<sup>13</sup>C-化学シフトの計算を、小さな分子の時と同じモデル化学で実施しました。(※ただし構造最適化はRI-mPWLYP/SV(P)で実施し、振動解析は時間がかかるため省略)
</p>
<img alt="orca_iglo_03.gif" src="http://pc-chem.info/img/orca_iglo_03.gif" width="450" height="475" />
<p>
傾向は先ほどの例とあまり変わりません。HFとBLYPが逆の傾向を示し、その中間を行くB3LYPがもっとも精度が高い結果を与えています。また、先ほど塩素が結合した炭素でDFTの誤差が大きかったわけですが、こちらでフッ素が結合した炭素(C8)の精度は悪くありません。
</p>
<p>
計算時間は構造最適化(RI-mPWLYP/SV(P))が63.6 min, 化学シフト計算がHF/IGLO-IIで113.5 min, BLYP/IGLO-IIで11.6 min(!!!), B3LYPで80.8 minでした(Linux版で4プロセス並列計算の場合)。ORCAはDFT計算が非常に高速で、GGA functionalを利用した場合、計算内容によってWFTよりも4～40倍高速とのことです。TAの最適化をRI-mPWLYPで行ったのは、そこに理由があります(B3LYPでは時間がかかる)。もちろんpure DFTの問題点はいろいろあるでしょうが、それらを理解した上で利用すれば、かなり計算時間を短縮することができます。
</p>
<br />
<p>
<a name="ref1"><strong>実測データ出典</strong></a><br />
SDBSWeb : <a href="http://riodb01.ibase.aist.go.jp/sdbs/">http://riodb01.ibase.aist.go.jp/sdbs/</a><br />
(National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 2009/06/07)
</p>
<br />
<p>
[<a href="http://pc-chem.info/dat/orca_iglo.zip">本稿で行った計算の入出力ファイル(orca_iglo.zip), 1.35 MB</a>]<br />
[<a href="http://pc-chem.info/dat/orca_iglo.xls">本稿で行った計算の結果をまとめたエクセルシート(orca_iglo.xls), 76.0 KB</a>]
</p>
]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>芳香族性の記事を書き直しました</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/y00/post_8.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=318" title="芳香族性の記事を書き直しました" />
    <id>tag:pc-chem.info,2009://3.318</id>
    
    <published>2009-05-05T13:43:02Z</published>
    <updated>2009-06-04T13:10:39Z</updated>
    
    <summary>旧ページのテキストだけコピペして画像が無い＆書いてる内容自体が怪しいなど、問題が...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(Y-00)告知" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[旧ページのテキストだけコピペして画像が無い＆書いてる内容自体が怪しいなど、問題があった<a href="http://pc-chem.info/b00/b01/aromaticity.html">Aromaticityのページ</a>を一から書き直しました
ISEとかNICSとか少しは以前のものよりグレードアップしたかもしれません。。。

【2009/05/07追記】
サイトの階層構造を変更しました。現時点ではいくつかの記事間リンクが通じていない状態です。早めに復旧しますので、今しばらくお待ちください。]]>
        
    </content>
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    <title>Aromaticity</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/b00/b01/aromaticity.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=45" title="Aromaticity" />
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    <published>2009-05-05T13:20:00Z</published>
    <updated>2009-06-06T15:06:24Z</updated>
    
    <summary> 高校の化学で習う有機化合物の分類に「芳香族化合物」があります。由来を知らないと...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(A-02)GAMESS" />
            <category term="(B-00)実例集" />
            <category term="(B-01)分子・錯体の構造・性質" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[<p>
高校の化学で習う有機化合物の分類に「芳香族化合物」があります。由来を知らないと何か変なネーミングですが、変なのはそれだけではなく、むしろその化学的性質です。不飽和結合(=π結合)を有するにも関わらず付加反応を受けにくく、むしろ置換反応を起こす。普通の不飽和化合物としての予測よりも燃焼熱が小さい。ベンゼンやシクロペンタジエニルアニオンのC-C結合が全て同じ長さ。こういった芳香族化合物に特徴的な性質を「芳香族性」といいます。
計算化学によって芳香族性を調べることができますが、ここでは<br />
・芳香族性による安定化を実験的に見積もる方法である水素化熱の比較<br />
・異性化反応モデルによる芳香族性の見積もり<br />
・磁気的性質によって芳香族性・反芳香族性を調べる<br />
の3つについて計算例をお示しします。
</p>]]>
        <![CDATA[<h4 class="hddr">水素化熱の計算</h4>
<p>
有機化学の教科書の芳香族化合物の章には必ず載っている、水素化熱の比較グラフ。これを計算で再現してみます。<br />
まず、シクロヘキサン(D3d)・シクロヘキセン(C2)・1,3-シクロヘキサジエン(C2)・ベンゼン(D6h)の構造最適化と振動解析行います(それぞれ分子の対称性に気をつけて入力を作成)。なお、実測値は25 ℃ (=298.15 K), 1 atmでのエンタルピー変化ですので、計算も同条件で実施し比較する必要があります。今回の計算例はMP2/6-31G(d)で行いました。
</p>
<p>
計算結果をFig.1にまとめました。シクロヘキサンとシクロヘキセン＋H<sub>2</sub>、シクロヘキサンと1,3-シクロヘキサジエン＋2H<sub>2</sub>を比較すると、前者の2倍よりも後者の方が2.55 kcal/molだけ小さいことがわかります。この差は、二重結合が隣接して並んだこと(共役)による安定化エネルギー(dH<sub>conjugate</sub>)です。シクロヘキサンからシクロヘキセンへの脱水素エネルギーが二重結合を導入するのに必要なエネルギー(dH<sub>C=C</sub>, 計算値28.95 kcal/mol)だとすると、仮想ベンゼン(1,3,5-シクロヘキサトリエン)は二重結合が3つあり、共役も3箇所ありますから、3 × dH<sub>C=C</sub> - 3 × dH<sub>conjugate</sub> = 79.21 (kcal/mol)となります。実際のベンゼンは 43.41 kcal/molで、この2つの差 35.80 kcal/mol が「芳香族性獲得による安定化エネルギー (dH<sub>arom</sub>)」であると考えられます。
</p>
<a href="http://pc-chem.info/img/benzene_aromaticity.jpg"><img alt="benzene_aromaticity.jpg" src="http://pc-chem.info/img/benzene_aromaticity-thumb.jpg" width="450" height="267" /></a><br />
Fig.1<br />
<br />
<p>
Fig.1には並べて実測値<sup><a href="#ref1">※1</a></sup>も記載してあります(括弧内の値)。シクロヘキセン、シクロヘキサジエンの計算値は実測に非常によく一致する一方、ベンゼンの水素化熱はやや誤差が残る結果となりました。
</p>
</br>
<h4 class="hddr">異性化反応を使った芳香族性の推算</h4>
<p>
芳香族性によって獲得する安定化エネルギーを見積もる方法として、ISE(Isomerization Stabilization Energy)がSchleyerらによって提唱されています(2002年)<sup><a href="#ref2">※2</a></sup>。これは、Eq.1のような反応を考えます。環状共役系の中の1つの二重結合がexo-メチレンとendo-メチレンに相互変換する時のエネルギー差(を補正したもの)が、共役系が環状になったことによる安定化となり、芳香環ならば芳香族性獲得による安定化ということになるわけです。
</p>
<img alt="Aromaticity_Eq1.gif" src="http://pc-chem.info/img/Aromaticity_Eq1.gif" width="316" height="69" />
<p>
含酸素芳香環の代表例・フランで、ISEの算出をしてみます。<br />
フランでEq.1と同様な式を立てるとEq.2のようになります。先のISEの説明で「を補正したもの」という文言がありましたが、それは環状共役とは独立した「exo-endo間の異性化エネルギー」の補正です。フランの場合、環ひずみも考慮してEq.3のような補正式を立てます。Eq.2の異性化エンタルピーにEq.3の異性化エンタルピーを加えることで、補正ISE(ISE<sub>corrected</sub>)とします。
</p>
<img alt="Aromaticity_Eq2-3.gif" src="http://pc-chem.info/img/Aromaticity_Eq2-3.gif" width="208" height="129" />
<p>
計算は水素化熱の算出と同様で、構造最適化・振動解析を行います。ここではより計算精度を高めるため、全電子エネルギーE<sub>el</sub>だけ、より精度の高いモデル化学で再計算しています(具体的にはPBE0/pc-2//PBE0/6-31G(d))。結果として、Eq.2の異性化エンタルピーは -16.43 kcal/mol, Eq.3の異性化エンタルピーは +3.55 kcal/molとなり、ISE<sub>corrected</sub>は -12.87 kcal/molと算出されました。ホモデスミック反応(Eq.4)のdH(G2MP2)が-12.2 kcal/molと報告されていますが<sup><a href="#ref3">※3</a></sup>、それに近い値になっています。
</p>
<img alt="Aromaticity_Eq4.gif" src="http://pc-chem.info/img/Aromaticity_Eq4.gif" width="364" height="89" /><br />
<br />
<h4 class="hddr">NICS:磁気的性質による芳香族性の定量化</h4>
<p>
ISEを提案したSchleyerは、1996年に分子の磁気的性質…環の中心の化学シフトが芳香族性の尺度になるとして、NICS(Nucleus-Independent Chemical Shift)を提案しています<sup><a href="#ref4">※4</a></sup>。これは環が芳香族ならその環電流効果によって環の中心が強く遮蔽化され、反芳香族なら逆に反遮蔽化されることに由来します。NICSは、<a href="http://pc-chem.info/b00/b01/nmr_shielding_tensor.html">NMR計算</a>と全く同じ手順で行い、環の中心に数学的な点(電荷も軌道もない純粋な点)を配置し、その点での化学シフトの計算値の正負を入れ替えた値になります。ここで言う「環の中心」とは、環を構成する原子の座標の平均値です(重心ではありません)。
</p>
<p>
一般に、環の中心のNICSを「NICS(0)」と表記し、環の面に対して1 &Aring;だけ浮いた座標のNICSを「NICS(1)」と表記します。平面の芳香環では、同じNICSでも環の中心よりもすこし浮いたところの方が、周囲のσ結合の影響を最小限に留めたより純粋なπ電子による効果を反映します(そのため、3員環のNICS(0)はσ結合による遮蔽効果が大きく芳香族性の評価に使えません)。
</p>
<p>
GAMESSでの具体的な入力例を以下に示します。原子ラベルは何でもいいですが、Gaussianでゴースト原子を意味する「Bq」をこの例では使っています。陽子数は0とし(これによってGAMESSはゴースト原子と判別します)、あとは環の中心となる座標(またはそこから1 &Aring;浮いた座標)を指定します。他は通常のNMR計算と変わりません。ゴースト原子の指定は分子の後ろで指定した方が良いです(前に置くとSCF後の密度解析の出力がおかしくなる)。
</p>
<div class="pretext">
 $CONTRL SCFTYP=RHF RUNTYP=NMR COORD=UNIQUE
  MAXIT=200 NZVAR=0 $END
 $SYSTEM TIMLIM=36000 MWORDS=100 $END
 $SCF DIRSCF=.F. DAMP=.T. $END
 $BASIS GBASIS=N311 NGAUSS=6 NDFUNC=1 $END
 $GUESS GUESS=HUCKEL $END
 $DATA
Borole, NMR, RHF/6-311G(d)
C1
 B           5.0   0.0000000000   0.0000000000  -1.3279447109
 C           6.0  -1.2526668203   0.0000000000  -0.3676675132
 C           6.0   1.2526668203   0.0000000000  -0.3676675132
 C           6.0  -0.7556189165   0.0000000000   0.8893840824
 C           6.0   0.7556189165   0.0000000000   0.8893840824
 H           1.0   0.0000000000   0.0000000000  -2.5225616018
 H           1.0  -2.3139393369   0.0000000000  -0.5911050932
 H           1.0   2.3139393369   0.0000000000  -0.5911050932
 H           1.0  -1.3301790683   0.0000000000   1.8141412757
 H           1.0   1.3301790683   0.0000000000   1.8141412757
 <strong>Bq0         0.0   0.0000000000   0.0000000000  -0.0569023145
 Bq1         0.0   0.0000000000   1.0000000000  -0.0569023145</strong>
 $END
</div>
<p>
代表的な化合物の計算結果は以下の通りです(RHF(GIAO)/6-311G(d)//RMP2/6-31G(d))。芳香族は大きな負の値、反芳香族は大きな正の値を示しています。
</p>
<table border="1">
<tr><td></td><td>NICS(0)</td><td>NICS(1)</td></tr>
<tr><td>Benzene</td><td>-10.35</td><td>-12.24</td></tr>
<tr><td>Pyrrole</td><td>-15.97</td><td>-11.54</td></tr>
<tr><td>Phosphole</td><td>-5.71</td><td>-6.14/-5.77<sup>*</sup></td></tr>
<tr><td>Cyclopentadiene</td><td>-3.57</td><td>-5.28</td></tr>
<tr><td>Borole</td><td>17.34</td><td>9.64</td></tr>
<tr><td>Cyclobutadiene</td><td>28.98</td><td>20.12</td></tr>
</table>
<span style="font-size:10px">*Phospholeは環の面に対して非対称のため、Lp側/P-H側それぞれの計算値</span><br />
<br />
<p>
<a name="ref1">※1</a>：ボルハルト・ショアー現代有機化学(日本語第2版), p.613<br />
<a name="ref2">※2</a>：Org. Lett. 2002, 2873.<br />
<a name="ref3">※3</a>：Tetrahedron. 2003, 1657.<br />
<a name="ref4">※4</a>：J. Am. Chem. Soc. 1996, 6317.<br />
</p>
<p>
[<a href="http://pc-chem.info/dat/aromaticity.zip">本稿で行った計算の入出力ファイル(aromaticity.zip), 3.22 MB</a>]
</p>]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>半年振りの更新です</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/y00/post_7.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=308" title="半年振りの更新です" />
    <id>tag:pc-chem.info,2009://3.308</id>
    
    <published>2009-03-14T04:02:00Z</published>
    <updated>2009-03-14T04:10:15Z</updated>
    
    <summary>昨年8月の更新停止告知以来、半年振りの再開1発目は「MOPAC 6.06」の公開...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(Y-00)告知" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[昨年8月の更新停止告知以来、半年振りの再開1発目は「<a href="http://pc-chem.info/2009/03/mopac_606.html">MOPAC 6.06</a>」の公開です。Winmostarの千田さんを筆頭に何人もの方にご協力頂き、無事公開に至りました。改めて、深く感謝の意を表します。ありがとうございました。

実際のところ、私(s2k)にはFortranのプログラミングスキルは皆無です。ですので、コード修正のほとんどは千田さんが実施しています。私はというと、論文で公開されたパラメータを地道に移植していくことと、その検証をすること、出力ファイルの表記の微調整ぐらいです…誰でもできることですね。
]]>
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>MOPAC 6.06</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/a00/a01mopac/mopac_606.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=306" title="MOPAC 6.06" />
    <id>tag:pc-chem.info,2009://3.306</id>
    
    <published>2009-03-14T03:55:28Z</published>
    <updated>2009-12-11T11:13:52Z</updated>
    
    <summary> CCL (computational chemistry list)で無償公開...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(A-00)フリーのプログラム" />
            <category term="(A-01)MOPAC" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[<p>
<a href="http://www.ccl.net/">CCL (computational chemistry list)</a>で無償公開されているMOPAC 6のちょっと強化版「MOPAC 6.06」をここに公開します。
</p>
<p>
<a href="http://pc-chem.info/mopac606/mopac606_exe.zip">mopac606_exe.zip</a><br />
(Windows用実行ファイル(Cygwin/g77でコンパイル), 重原子80/水素原子100)<br />
<a href="http://pc-chem.info/mopac606/mopac606_src_diff.zip">mopac606_src_diff.zip</a><br />
(改変・追加した差分ソースコード)<br />
<a href="http://pc-chem.info/mopac606/linux_runscript.zip">linux_runscript.zip</a><br />
(linux用入出力補助シェルスクリプト)
</p>
<br />
<h4 class="hddr">MOPAC 6.06とは</h4>
<p>
Yale大学のJorgensenらによるPDDG (Pairwise Distance Directed Gaussian)法追加版MOPAC 6を基に、同グループから発表された追加のPDDG/PM3パラメータを加え、いくつかの機能追加・バグフィックスを施したのがMOPAC 6.06です。発案およびPDDG/PM3パラメータ追加は佐々木(pc-chem.info)が、.mgf出力やいくつかのバグ修正等は千田(tencube)が実施しました。
</p>
<br />]]>
        <![CDATA[<h4 class="hddr">MOPAC 6とMOPAC 6.06の主な違い</h4>
<p>
・既報の全PDDG/PM3パラメータを収載(H, C, N, O, F, Si, P, S, Cl, Br, I)<br />
　※PDDG/MNDOはオリジナルソースコードに記述済みのC, H, N, Oのみ<br />
<table border="1" cellspacing="1" style="margin-top:3px;margin-bottom:3px">
<tr><th rowspan="2">分子セット</th><th colspan="4">MAE of HOF (kcal/mol)</td></th>
<tr><th>AM1</th><th>PM3</th><th>PDDG/PM3</th></tr>
<tr><td>CHNO</td><td>6.7</td><td>4.4</td><td>3.2</td></tr>
<tr><td>halogens</td><td>11.1</td><td>8.1</td><td>5.6</td></tr>
<tr><td>Si</td><td>11.7</td><td>11.1</td><td>11.9</td></tr>
<tr><td>P</td><td>18.2</td><td>21.5</td><td>17.9</td></tr>
<tr><td>S</td><td>10.6</td><td>10.5</td><td>6.4</td></tr>
<tr><td>All</td><td>10.8</td><td>8.7</td><td>6.5</td></tr>
</table>
<a href="http://pc-chem.info/img/pddg_ex.gif"><img alt="pddg_ex.gif" src="http://pc-chem.info/img/pddg_ex-thumb.gif" width="400" height="180" /></a><br />
・Jmol等で可視化できるFormatted Graphic File (.mgf)の出力が可能<br />
・.arcファイルの電荷の出力バグを修正
</p>
<br />
<h4 class="hddr">公開・利用・再配布条件</h4>
<p>
・元プログラムに従い、PDS (Public Domain Software)と同様の条件に従うものとします。<br />
　(現行の日本国内の法律では著作権を放棄できませんが、自由な改変・配布を認めます)<br />
・改変したものを公開する際は、ソースコードも公開して下さい。
</p>
<br />
<h4 class="hddr">参考文献/URL</h4>
<p>
○オリジナルソースコード<br />
・MOPAC 6 (<a href="http://server.ccl.net/cca/software/SOURCES/FORTRAN/mopac6_sources/">http://server.ccl.net/cca/software/SOURCES/FORTRAN/mopac6_sources/</a>)<br />
・PDDG (<a href="http://zarbi.chem.yale.edu/doc/pddg/">http://zarbi.chem.yale.edu/doc/pddg/</a>)<br />
※PDDGのソースコードの利用については原著者に連絡の上、了承済みです。<br />
○文献<br />
・PDDG (C, H, N, O): <a href="http://dx.doi.org/10.1002/jcc.10162">J. Comput. Chem. 2002, 23, 1601-1622.</a><br />
・PDDG (Si, P, S): <a href="http://dx.doi.org/10.1021/ct0500287">J. Chem. Theory Comput. 2005, 1, 817-823.</a><br />
・PDDG (F, Cl, Br, I): <a href="http://dx.doi.org/10.1002/jcc.10356">J. Comput. Chem. 2004, 25, 138-150.</a><br />
</p>
<br />
<h4 class="hddr">簡易マニュアル</h4>
<p>
(1)コンパイル方法<br />
  1-0. Windowsなら<a href="http://www.cygwin.com/">cygwin</a>を導入し、g77が使えるのが前提。Linuxでもg77が使えるのが前提。<br />
  1-1. <a href="http://server.ccl.net/cca/software/SOURCES/FORTRAN/mopac6_sources/">ここ</a>からMOPAC 6のソースコードをダウンロードし、任意のフォルダに展開する。<br />
  1-2. <a href="http://zarbi.chem.yale.edu/doc/pddg/">ここ</a>からPDDG差分ソースコードをダウンロードし、先のフォルダに上書きする。<br />
  1-3. <a href="http://pc-chem.info/mopac606/mopac606_src_diff.zip">mopac606_src_diff.zip</a>をダウンロードし、先のフォルダに上書きする。<br />
  1-4. コマンドライン(cygwin/bashかLinuxの端末)でmakeを実行。<br />
  1-5. フォルダ内にmopac606.exeが生成する。<br />
  ※「SIZES」というファイル内のMAXHEV, MAXLITの値を変更することで、扱える原子数を変更できます<br />
(2)計算の実行方法<br />
  2-a. 実行ファイルと同じフォルダ内に入力ファイルを「FOR005」というファイル名で作成し、実行ファイルを起動する。<br />
  2-b. Windows上で<a href="http://winmostar.com">Winmostar</a>から利用可能。適当なフォルダに実行ファイルを入れ、Winmostarのメニュー[その他]→[パスの設定]で指定する。<br />
<a href="http://winmostar.com/"><img alt="get_winmostar.gif" src="http://pc-chem.info/img/get_winmostar.gif" width="125" height="45" /></a><br />
  2-c. Linux上での入出力処理には<a href="http://pc-chem.info/mopac606/linux_runscript.zip">こちら</a>のシェルスクリプト(bashで記述)も利用可能。<br />
(3)追加機能のキーワード<br />
  3-a. PDDG/PM3で計算を行うには「PDG」、PDDG/MNDOで計算を行うには「MDG」を指定。<br />
  3-b. Formatted Graphic Fileは「GRAPH」「GRAPHF」どちらのキーワードでも出力される。<br />
</p>
<br />
<h4 class="hddr">連絡先</h4>
<p>
MOPAC 6.06管理ML mopac606[at]pc-chem.info<br />
※本プログラムに関するご意見・ご質問等は全て上記アドレスへお願いいたします。
</p>
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
以下は、ちょっと上級者向けのおまけです<br />
全て自己責任でお願いします<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<h4 class="hddr">NBO 3.0の統合について</h4>
<p>
CCLに、現在広く使われている密度解析プログラム「NBO (Natural Bond Orbital)」の旧版(ver.3.0)が公開されています。<br />
<a href="http://server.ccl.net/cca/software/MS-WIN95-NT/mopac6/">http://server.ccl.net/cca/software/MS-WIN95-NT/mopac6/</a><br />
このソースコードを、MOPAC 6.06に統合することができます。
</p>
<br />
<h4 class="hddr">注意事項</h4>
<p><strong>
NBO 3.0は、すでにサポート外となっている古いプログラムです。バグがいくつか残されていることも明らかになっていますので、利用は自己責任でお願いします。原著者のF. Weinhold教授(Wisconsin大)への問い合わせは避けることと、サポートを受けたい場合は最新版のNBO5を購入されることをお勧めします。
</strong></p>
<br />
<h4 class="hddr">NBO 3.0の統合方法</h4>
<p>
  1. 上記URLからNBO 3.0のソースコード(Executable with NBO & Sources)をダウンロードし、任意のフォルダに展開する。<br />
  2. mopnbo.fの5872行目「DIMENSION BASIS(4)」を「CHARACTER*4 BASIS(4)」に変更し、「NBREAD」と「NBWRIT」サブルーチンをそれぞれ「nbread.f」「nbwrit.f」として別ファイルに切り離す。<br />
  3. MOPAC 6.06のソースコードにmopnbo.f, nbread.f, nbwrit.fを追加する。(writenbo.fは必要ない)<br />
  4. writmo.fの502行目のコメントマーク(行先頭の"C")を半角スペースに置換し「CALL RUNNBO」を有効化。<br />
  5. Makefileの変数OBJの末尾(「xyzint.o \」の後ろ)に「mopnbo.o \」「nbread.o \」「nbwrit.o」の3行を追加。<br />
  6. makeを実行。<br />
以上の作業で、NBO 3.0をMOPAC 6.06に統合することができます。
</p>
<br />
<h4 class="hddr">NBO 3.0の起動方法</h4>
<p>
NBO解析を行うには、座標指定の後に一行空けて「$NBO $END」。$NBOと$ENDの間にキーワードを挿入してオプション指定が可能。(詳しくは<a href="http://server.ccl.net/cca/software/MS-WIN95-NT/mopac6/nbo/NBO.HTM">こちら</a>のマニュアルを参照)
</p>]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>【更新停止のお知らせ】</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/y00/post_5.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=295" title="【更新停止のお知らせ】" />
    <id>tag:pc-chem.info,2008://3.295</id>
    
    <published>2008-08-17T03:08:08Z</published>
    <updated>2008-08-17T03:16:13Z</updated>
    
    <summary>すでに2ヶ月近く更新が滞っておりましたが、一度更新停止のお知らせとともに区切りを...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(Y-00)告知" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        すでに2ヶ月近く更新が滞っておりましたが、一度更新停止のお知らせとともに区切りを付けたいと思います。この「更新停止」は無期限ではなく、いずれ再開しますが、1年程度の休息期間を入れたいと考えています。

いろいろと理由はありますが…本業が忙しい(充実している)ということもあって、なかなかこちらに目を向けられない状態になっているのも事実です。

フォーラムやメール(s2k_admin[at]pc-chem.info)への返信はなるべく速やかに対応しますので、どうかご容赦を m(_ _)m
        
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>1重項ビラジカルの構造と遷移状態探索</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/b00/b02/1.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=287" title="1重項ビラジカルの構造と遷移状態探索" />
    <id>tag:pc-chem.info,2008://3.287</id>
    
    <published>2008-05-05T06:26:07Z</published>
    <updated>2008-05-05T07:00:11Z</updated>
    
    <summary> 有機化学の世界においては、対象となる分子の多くは閉殻分子で、かつ反応機構も極性...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(B-00)実例集" />
            <category term="(B-02)反応機構解析" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[<p>
有機化学の世界においては、対象となる分子の多くは閉殻分子で、かつ反応機構も極性機構で捉えられています。しかし、その枠組みから外れる分子や反応機構も数多く知られています。今後、電子構造や反応機構が見直されていくものもあるでしょう。
</p>
<p>
計算化学において取り扱いの難しい化学種に「ビラジカル」があります。よく知られているビラジカルといえば酸素分子がありますが、他にも実際に観測されたものや理論的に考えられるものがいろいろあります。これらは1重項・3重項ともに閉殻状態の理論(RHF)では取り扱うことができません。1重項なのに閉殻じゃない、というと変な感じがしますが、実際に1重項ビラジカルは観測されていますし(酸素分子は基底状態が3重項ですが、1重項酸素も光反応等において重要な役割を果たしています)、最も長寿命の1重項ラジカルは日本で生み出されました(<a href="http://home.hiroshima-u.ac.jp/tenyu/">広島大・安倍研</a>)。<br />
1重項ビラジカルのような特殊な電子構造を扱うには、複数の電子配置を一緒に考慮する手法が必要です。多数の電子配置を参照する理論を「多参照理論」と呼びますが、ここではGAMESSを使って、そのような理論の一つ「CASSCF(完全活性空間多配置SCF)」の簡単な計算例をお示しします。
</p>]]>
        <![CDATA[<h4 class="hddr">はじめに―単参照理論での最適化</h4>
<div class="imgright"><img alt="casscf01.jpg" src="http://pc-chem.info/img/casscf01.jpg" width="150" height="137" /><br />Fig.1 エチレン二量体の構造</div>
<p>
今回は、よく知られている直鎖形エチレン二量体(Fig.1)の1重項での安定構造と、二量化の遷移状態について計算を実施します。<br />
まず、エチレン二量体の初期構造を作成します。この分子はD2hの対称性をもっており、Z-matrixで簡単に記述できます。私の記述例を以下に示します。
</p>
<div class="pretext">
C
C  1  rCC
C  1  rCC  2  110
C  2  rCC  1  110  3  180
H  1  rCH  2  110  3  120
H  1  rCH  2  110  3 -120
H  2  rCH  1  110  4  120
H  2  rCH  1  110  4 -120
H  3  rCH  1  120  2   90
H  3  rCH  1  120  2  -90
H  4  rCH  2  120  1   90
H  4  rCH  2  120  1  -90

rCC=1.50
rCH=1.00
</div>
<p>
ナンバリングはFig.1の通りになっています。この構造を出発点に、計算を進めていくことにします。まず、単純にここから対称性を保ったままRHFやUHFで構造最適化するとどうなるでしょうか。
</p>
<p>
RHFでの構造最適化計算の入力例
</p>
<div class="pretext">
 $CONTRL SCFTYP=RHF RUNTYP=OPTIMIZE COORD=ZMT
  MAXIT=200 NZVAR=0 MULT=1 $END
 $SYSTEM TIMLIM=3600 MWORDS=1 $END
 $SCF DIRSCF=.T. DAMP=.T. $END
 $BASIS GBASIS=STO NGAUSS=3 $END
 $GUESS GUESS=HUCKEL $END
 $STATPT NSTEP=100 OPTTOL=0.0001 $END
 $DATA
C4H8 biradical
Cnh 2

C
C  1  rCC
C  1  rCC  2  110
C  2  rCC  1  110  3  180
H  1  rCH  2  110  3  120
H  1  rCH  2  110  3 -120
H  2  rCH  1  110  4  120
H  2  rCH  1  110  4 -120
H  3  rCH  1  120  2   90
H  3  rCH  1  120  2  -90
H  4  rCH  2  120  1   90
H  4  rCH  2  120  1  -90

rCC=1.50
rCH=1.00  
 $END
</div>
<div class="imgright"><a href="http://pc-chem.info/img/casscf02.jpg"><img alt="casscf02.jpg" src="http://pc-chem.info/img/casscf02-thumb.jpg" width="150" height="157" /></a><br />Fig.2 RHFでは解離する</div>
<p>
UHFの場合は$CONTRLのSCFTYPをRHF→UHFに変えるだけです。<br />
この計算は基底関数がSTO-3Gということもあり、すぐに終わります。結果を可視化ソフトで見ると…Fig.2のように、エチレン2分子に解離してしまいます。図はRHFの結果ですが、UHFでも同じ結果になります。二量体の構造は得られません。
</p>
<p>
では、CASSCFではどうでしょうか。
</p>

<h4 class="hddr">CASSCFの入力作成・構造最適化</h4>
<p>
CASSCFのような多配置SCFでは、<u>計算成功の可否に初期軌道の質が大きく関わります</u>。GAMESSでは、デフォルトで初期軌道をHuckel法により作成しますが、予めRHF等で収束した軌道を初期軌道に用いたほうが計算がスムーズに進行することが多いです。また、初期軌道をRHF等で作成する際に、<strong>同時にどの軌道を活性空間(AS)に取り込むかを調べます</strong>。<br />
先のRHFによる構造最適化計算で、すでに初期構造の軌道は得られています(punchファイルの最初のほうに出力されています)が、軌道の可視化や$VECデータのコピーを容易にするため、もう一度1点計算をし直すことにします。
</p>
<div class="imgright"><a href="http://pc-chem.info/img/casscf03.jpg"><img alt="casscf03.jpg" src="http://pc-chem.info/img/casscf03-thumb.jpg" width="150" height="78" /></a><br />Fig.3 HOMOとLUMO</div>
<p>
入力については省略しますが、計算により得られた分子軌道の中で大事なのは、<strong>今注目している部位に寄与の大きい軌道</strong>です。この例では、HOMO(16)とLUMO(17)(Fig.3)がラジカル電子の配置に大きく関わると考えられますので、この2軌道を活性空間に設定することにします。
</p>
<p>
CASSCFの入力例を以下に示します。
</p>
<div class="pretext" style="height:400px">
 $CONTRL <strong>SCFTYP=MCSCF</strong> RUNTYP=OPTIMIZE COORD=ZMT
  MAXIT=200 NZVAR=0 MULT=1 $END
 $SYSTEM TIMLIM=3600 MWORDS=1 MEMDDI=1 $END
 $SCF DIRSCF=.T. DAMP=.T. $END
 $BASIS GBASIS=STO NGAUSS=3 $END
 <strong>$GUESS GUESS=MOREAD NORB=28 $END
 $MCSCF CISTEP=ALDET $END
 $DET NCORE=15 NACT=2 NELS=2 GROUP=C2h ISTSYM=1
 NSTATE=1 WSTATE(1)=1 $END</strong>
 $STATPT NSTEP=100 OPTTOL=0.0001 HSSEND=.T. $END
 $DATA
C4H8 biradical
Cnh 2

C
C  1  rCC
C  1  rCC  2  110
C  2  rCC  1  110  3  180
H  1  rCH  2  110  3  120
H  1  rCH  2  110  3 -120
H  2  rCH  1  110  4  120
H  2  rCH  1  110  4 -120
H  3  rCH  1  120  2   90
H  3  rCH  1  120  2  -90
H  4  rCH  2  120  1   90
H  4  rCH  2  120  1  -90

rCC=1.50
rCH=1.00  
 $END
 <strong>$VEC   
 1  1 7.00849008E-01 3.30950787E-02-2.49690729E-03-1.73512246E-03-0.00000000E+00
 1  2-7.00849008E-01-3.30950787E-02-2.49690729E-03-1.73512246E-03-0.00000000E+00
 1  3 2.24185518E-04-4.28773522E-03 2.81846799E-03-1.45679763E-03-0.00000000E+00
 1  4-2.24185518E-04 4.28773522E-03 2.81846799E-03-1.45679763E-03-0.00000000E+00
 1  5-5.80164897E-03 5.80164897E-03-5.80164897E-03 5.80164897E-03 3.26677990E-05
 1  6-3.26677990E-05 3.26677990E-05-3.26677990E-05
 2  1 7.01576251E-01 2.41583745E-02 2.08415794E-03 2.84541396E-03-0.00000000E+00
(中略)
27  6-6.27385743E-01-6.27385743E-01 6.27385743E-01
28  1-0.00000000E+00-0.00000000E+00-0.00000000E+00-0.00000000E+00 7.05445020E-01
28  2-0.00000000E+00-0.00000000E+00-0.00000000E+00-0.00000000E+00-7.05445020E-01
28  3-0.00000000E+00-0.00000000E+00-0.00000000E+00-0.00000000E+00-6.94066062E-01
28  4-0.00000000E+00-0.00000000E+00-0.00000000E+00-0.00000000E+00 6.94066062E-01
28  5 4.55138447E-01 4.55138447E-01-4.55138447E-01-4.55138447E-01-4.91636497E-01
28  6-4.91636497E-01 4.91636497E-01 4.91636497E-01
 $END</strong>
</div>
<p>
まず$CONTRLでSCFTYP=MCSCFとします。これが無ければ始まりません。これに対応するのが$MCSCFで、ここでCIのやり方を選び(CISTEP=ALDET)、またSCFのオプションを選択したりします。CASSCFを実行するに当たって、一番直感的に入力を作成できるのがALDETですので(これは私の主観ですが)、ここではそれを選択しています。他にGUGAやORMASなどが選択でき、これらもよく使われます。
</p>
<div class="imgright"><a href="http://pc-chem.info/img/casscf04.jpg"><img alt="casscf04.jpg" src="http://pc-chem.info/img/casscf04-thumb.jpg" width="150" height="157" /></a><br />Fig.4 CASSCF(2,2)の最適化構造<br /><br /><a href="http://pc-chem.info/img/casscf05.jpg"><img alt="casscf05.jpg" src="http://pc-chem.info/img/casscf05-thumb.jpg" width="150" height="140" /></a><br />Fig.5 2つの非結合性軌道</div>
<p>
CISTEP=ALDETに対応するのが$DETで、ここで活性空間の設定をします。NCOREは励起配置に取り込まない被占軌道の数、NACTは活性軌道の数、NELSは活性軌道に配置する電子数です。<u>これで、一般によく書かれる「CASSCF(2,2)」を指定したことになります</u>。GROUPは点群で、通常は$DATAグループから引用されますが、$DETで指定できるのは点群の中でもアーベル群(C1, Ci, Cs, C2, C2v, C2h, D2, D2h)だけです。ISTSYMは解く状態の対称性を指定します。指定は数字ですが、これはマニュアルに従います。上記の例はC2hですが、この場合1=Ag, 2=Bu, 3=Bg, 4=Auとなり、基底状態の計算ですので1を指定します(励起状態ではそれぞれに応じた数字を指定します)。NSTATEは解く電子状態の数、WSTATEは各電子状態の重み付けを表す配列です(ここでは1つの状態しか解かないのでこのようになっていますが、励起状態の計算等で複数の電子状態を解いてその内下から2番目の状態を使うような場合は、NSTATE=5 WSTATE(1)=0,1,0,0,0のように記述したりします)。
</p>
<p>
$GUESSでGUESS=MOREADとし、初期軌道として$VECを指定します。NORBで$VECに含まれる軌道数($VECの行頭の数字、事前に軌道を確認する際、全軌道数も同時にチェックするとよい)を指定します。$VECは、RHF一点計算のpunchファイルからコピーします(<a href="http://classic.chem.msu.su/gran/gamess/">PC GAMESSのオフィシャルサイト</a>で配布されている入出力ファイル処理インタプリタ「JOB」を使うと作業を簡単にできます)。
また、$SYSTEMでMEMDDIを指定していますが、<u>MCSCFで解析的にHessianを計算する場合はMEMDDIが必要になります</u>(マニュアルを参照して下さい)。
</p>
<p>
この計算の結果、Fig.4のような構造が得られます。最適化されたMCSCF自然軌道を可視化すると、二つの電子がほぼ一つずつ同じエネルギーレベルの非結合性軌道(縮退した軌道)に入っていることがわかります(Fig.5)。振動解析からも、これが停留点であることが確認できます。出力ファイルには、電子配置と最適化されたCI係数も出力されています(下記)。
</p>
<div class="pretext">
 CI EIGENVECTORS WILL BE LABELED IN GROUP=C2H     
 PRINTING ALL NON-ZERO CI COEFFICIENTS

 STATE   1  ENERGY=      -154.1751291596  S=  0.00  SZ=  0.00  SPACE SYM=AG  

ALPH|BETA| COEFFICIENT
----|----|------------
 10 | 10 |   0.7672155
 01 | 01 |  -0.6413894
</div>

<h4 class="hddr">遷移状態の最適化とIRC計算</h4>
<p>
無事1重項のエチレン二量体の構造を得て、その電子構造も把握することができました。エチレン2分子からこの構造は生成すると考えられますから、次にその中間の構造…遷移状態を探索することにします。
</p>
<p>
上記計算で最適化された構造のZ-matrixの中で、中央のC-C結合を2.0&Aring;に変更し、再度RHFの一点計算を実施します。
</p>
<div class="pretext">
 C   
 C      1   2.0000000 ←1.5652118から変更
 C      1   1.5134808  2   112.2042627
 C      2   1.5134808  1   112.2042627  3   180.0000000  0
 H      1   1.0886017  2   108.7235173  3   121.6016116  0
 H      1   1.0886017  2   108.7235173  3  -121.6016116  0
 H      2   1.0886017  1   108.7235173  4   121.6016116  0
 H      2   1.0886017  1   108.7235173  4  -121.6016116  0
 H      3   1.0836564  1   117.6191033  2    72.2417168  0
 H      3   1.0836564  1   117.6191033  2   -72.2417168  0
 H      4   1.0836564  2   117.6191033  1    72.2417168  0
 H      4   1.0836564  2   117.6191033  1   -72.2417168  0
</div>
<p>
得られた初期軌道(punch内の$VEC)と上記Z-matrixを使って、遷移状態探索の入力を作成します。このケースでは、結合長が伸びたものの活性空間に取り込むべき軌道はHOMOとLUMOで変わっていません。
</p>
<div class="pretext">
 $CONTRL SCFTYP=MCSCF RUNTYP=SADPOINT COORD=ZMT
  MAXIT=200 NZVAR=0 MULT=1 $END
 $SYSTEM TIMLIM=3600 MWORDS=1 MEMDDI=1 $END
 $SCF DIRSCF=.T. DAMP=.T. $END
 $BASIS GBASIS=STO NGAUSS=3 $END
 $GUESS GUESS=MOREAD NORB=28 $END
 $MCSCF CISTEP=ALDET $END
 $DET NCORE=15 NACT=2 NELS=2 GROUP=C2h ISTSYM=1
 NSTATE=1 WSTATE(1)=1 $END
 $STATPT NSTEP=100 OPTTOL=0.0001 HESS=CALC HSSEND=.T. $END
 $DATA
C4H8 biradical
Cnh 2

 C   
 C      1   2.0000000
 C      1   1.5134808  2   112.2042627
 C      2   1.5134808  1   112.2042627  3   180.0000000  0
 H      1   1.0886017  2   108.7235173  3   121.6016116  0
 H      1   1.0886017  2   108.7235173  3  -121.6016116  0
 H      2   1.0886017  1   108.7235173  4   121.6016116  0
 H      2   1.0886017  1   108.7235173  4  -121.6016116  0
 H      3   1.0836564  1   117.6191033  2    72.2417168  0
 H      3   1.0836564  1   117.6191033  2   -72.2417168  0
 H      4   1.0836564  2   117.6191033  1    72.2417168  0
 H      4   1.0836564  2   117.6191033  1   -72.2417168  0
 $END
 $VEC   
 1  1 7.01393784E-01 2.63548842E-02 1.03921524E-04 4.85742852E-04 0.00000000E+00
 1  2-7.01393784E-01-2.63548842E-02 1.03921524E-04 4.85742852E-04 0.00000000E+00
 1  3-4.94414687E-04-4.06587222E-03 2.62667863E-03-1.54070630E-03 0.00000000E+00
(以下略)
</div>
<div class="imgright"><a href="http://pc-chem.info/img/casscf06.jpg"><img alt="casscf06.jpg" src="http://pc-chem.info/img/casscf06-thumb.jpg" width="150" height="157" /></a><br />Fig.6 遷移状態の構造<br /><br /><a href="http://pc-chem.info/img/casscf07.jpg"><img alt="casscf07.jpg" src="http://pc-chem.info/img/casscf07-thumb.jpg" width="150" height="161" /></a><br />Fig.7 唯一の虚振動モード</div>
<p>
$CONTRLでRUNTYP=SADPOINTとし、$STATPTでHESS=CALCとしています(小さな分子であれば、HESS=CALCでも時間はかかりませんが、大きい分子でこれをやると非常に時間がかかるため、その場合は別途低いレベルのモデル化学でHessian計算をしてHESS=READとした方が賢明です)。
</p>
<p>
この計算の結果、Fig.6のような構造が遷移状態として得られます。この構造はFig.7のような唯一つの虚振動モード(1104.58i cm<sup>-1</sup>)を有し、意図した反応の遷移状態であることが裏付けられます。
</p>
<p>
遷移状態が得られましたので、そこから原系・生成系に向かうIRCを辿ることができます。この計算で静的な反応経路がはっきりとしたものになります。入力は例えば以下のようになります。
</p>
<div class="pretext" style="height:400px">
 $CONTRL SCFTYP=MCSCF RUNTYP=IRC COORD=ZMT
  MAXIT=200 NZVAR=0 MULT=1 $END
 $SYSTEM TIMLIM=3600 MWORDS=1 $END
 $SCF DIRSCF=.T. DAMP=.T. $END
 $BASIS GBASIS=STO NGAUSS=3 $END
 $GUESS GUESS=MOREAD NORB=28 $END
 $MCSCF CISTEP=ALDET $END
 $DET NCORE=15 NACT=2 NELS=2 GROUP=C2h ISTSYM=1
 NSTATE=1 WSTATE(1)=1 $END
 $IRC SADDLE=.T. NPOINT=5 FORWRD=.T. $END
 $DATA
C4H8 biradical
Cnh 2

 C   
 C      1   2.0356362
 C      1   1.3676055  2   106.1469352
 C      2   1.3676055  1   106.1469352  3   180.0000000  0
 H      1   1.0826655  2    96.7838113  3   122.3220097  0
 H      1   1.0826655  2    96.7838113  3  -122.3220097  0
 H      2   1.0826655  1    96.7838113  4   122.3220097  0
 H      2   1.0826655  1    96.7838113  4  -122.3220097  0
 H      3   1.0802514  1   121.4087570  2    84.7038773  0
 H      3   1.0802514  1   121.4087570  2   -84.7038773  0
 H      4   1.0802514  2   121.4087570  1    84.7038773  0
 H      4   1.0802514  2   121.4087570  1   -84.7038773  0
 $END
 $VEC   
 1  1 7.01393784E-01 2.63548842E-02 1.03921524E-04 4.85742852E-04 0.00000000E+00
 1  2-7.01393784E-01-2.63548842E-02 1.03921524E-04 4.85742852E-04 0.00000000E+00
 1  3-4.94414687E-04-4.06587222E-03 2.62667863E-03-1.54070630E-03 0.00000000E+00
(中略)
28  4 0.00000000E+00 0.00000000E+00 0.00000000E+00 0.00000000E+00-6.67420878E-01
28  5-3.76447975E-01-3.76447975E-01 3.76447975E-01 3.76447975E-01 4.59743371E-01
28  6 4.59743371E-01-4.59743371E-01-4.59743371E-01
 $END
 $HESS
ENERGY IS     -154.1190309087 E(NUC) IS      113.2868050473
 1  1 4.99381791E-01-6.16530232E-01 0.00000000E+00 7.73159893E-01-1.08030177E-01
 1  2 0.00000000E+00-5.05503920E-01 3.35419782E-01 0.00000000E+00-5.25312149E-01
 1  3 2.78099599E-01 0.00000000E+00-7.41763169E-02 7.05381343E-02-7.68580025E-02
(中略)
36  6 5.87569201E-05 1.79303061E-04-1.43812534E-02 1.63040204E-02-1.26706340E-02
36  7-8.87988193E-05 3.95914479E-05-1.84563136E-04 1.28008125E-01-1.36162559E-01
36  8 3.75942986E-01
 $END
</div>
<p>
$CONTRLでRUNTYP=IRCとし、これに対応する$IRCを記述します。SADDLEは、入力構造が遷移状態であることを示し、NPOINTは何点までIRC上を進むかです(その遷移状態が正しく原系と生成系を結んでいるかを確かめるためなら、多くはいらないはず)。FORWRDは$HESSの虚振動モードにしたがって変位させるか(true)、その逆に変位させるか(false)で、ここだけが異なる2つの入力ファイルを作成して実行することで、遷移状態の両サイドへIRCを辿ることができます。$HESSは先の遷移状態最適化計算のpunchファイルよりコピーします。
</p>
<div class="imgright"><a href="http://pc-chem.info/img/casscf08.gif"><img alt="casscf08.gif" src="http://pc-chem.info/img/casscf08.gif" width="150" height="157" /></a><br />Fig.8 IRCに沿った構造変化</div>
<p>
結果をアニメーション化したのがFig.8で、2分子のエチレンが接近し、遷移状態を通過してビラジカルを生成する様子が滑らかに再現されています。
</p>
<p>
[<a href="http://pc-chem.info/dat/casscf.zip">本稿で行った計算の入出力ファイル(casscf.zip, 618 KB)</a>] 
</p>
<p>
注) 本稿で実施した計算はシンプルなモデル化学(CASSCF(2,2)/STO-3G)で実施していますので、定量性は期待できません。ビラジカルの構造も基底関数の改良で変化しますが(特にラジカル周りの平面性など)、ここではその手の話が本筋ではないので割愛しています。
</p>]]>
    </content>
</entry>
<entry>
    <title>Windows Vista x64での動作状況一覧</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/y00/windows_vista_x64.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=277" title="Windows Vista x64での動作状況一覧" />
    <id>tag:pc-chem.info,2008://3.277</id>
    
    <published>2008-04-13T12:50:59Z</published>
    <updated>2008-04-13T13:33:36Z</updated>
    
    <summary>Windows Vista x64 (SP1)での各種プログラムの動作状況をここ...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(Y-00)告知" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        Windows Vista x64 (SP1)での各種プログラムの動作状況をここに記載していきます。
私が確認できたものを随時公開していくのは勿論、ご覧の方で自分のところで動作確認が取れたというものも、メールorこの記事へのコメントでお寄せ頂ければと思います。
各プログラムのすべての機能を確認するのは難しく、またハードウェアやドライバ等の環境にも依存しますので、完全動作を保障するものにはならないかと思います。あくまで利用は自己責任で。

[凡例：○＝問題なく動作, △＝一部問題あり, ×＝重大な問題あり(使用に耐えない), x86＝32bit環境(WOW)で動作, x64＝64bit環境で動作]

【アルファベット順】
ArgusLab 4.0.1 × (x86, 分子を回転できない)
Avogadro 0.6.1 ○ (x86)
Facio 11.5.1 ○ (x86)
Jmol 11.4.0 ○ (x86)
MacMolPlt 7.1 △ (x86, 分子を回転させるときにもたつく)
Molekel 5.3.0 × (x86, GAMESSの出力読み込み時に落ちる)
OpenBabel 2.1.1 ○ (x86)
ORCA 2.6.35 ○ (x86)
PC GAMESS 7.1.5 ○ (x86)
WinGAMESS 08 ○ (x86)
Winmostar 3.71L ○ (x86)




        
    </content>
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    <title>Winmostar V.3.71 (08/02/19)</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/winmostar_v371_080219.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=270" title="Winmostar V.3.71 (08/02/19)" />
    <id>tag:pc-chem.info,2008://3.270</id>
    
    <published>2008-02-19T13:50:02Z</published>
    <updated>2008-02-19T14:00:48Z</updated>
    
    <summary>GAMESSの入力ファイル作成パネルが新規に追加され、構造最適化計算の過程をアニ...</summary>
    <author>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[GAMESSの入力ファイル作成パネルが新規に追加され、構造最適化計算の過程をアニメーション表示する画面にGradient表示を追加。MOPAC2007のmgfファイルを読み込んで分子軌道表示できるように(但しd軌道を含むものについては表示できないので、Jmolのスクリプトコンソール用のテキストを表示することで代替しています)。
Download ⇒ <a href="http://winmostar.com/">Winmostar Home Page</a>

]]>
        
    </content>
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<entry>
    <title>【お詫び】GAMESS用D&amp;Dバッチファイルの公開中止</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://pc-chem.info/y00/gamessdd_2.html" />
    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://port3016.sakura.ne.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=3/entry_id=269" title="【お詫び】GAMESS用D&amp;Dバッチファイルの公開中止" />
    <id>tag:pc-chem.info,2008://3.269</id>
    
    <published>2008-02-18T11:59:03Z</published>
    <updated>2008-02-18T12:13:33Z</updated>
    
    <summary>今年の2月10日より2月12日まで、本ページ上で公開しておりましたGAMESS用...</summary>
    <author>
        <name>s2k</name>
        <uri>http://3016.net/</uri>
    </author>
            <category term="(Y-00)告知" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://pc-chem.info/">
        <![CDATA[今年の2月10日より2月12日まで、本ページ上で公開しておりましたGAMESS用D&Dバッチファイルについて、そのオリジナルを作成されたFacio開発者より(1)明らかに自らの作成したバッチファイルを基に作成されているにもかかわらず、そのことがどこにも書かれていない(2)バッチファイル自体に全く不要の機能があり、逆に重要な機能が実装されていない(3)そのようなファイルが、オリジナルと殆ど同じファイル名で公開されており、ユーザーを混乱させる　という3点に非常に問題があるとの指摘を受け、公開を中止することとしました。

関係各位に多大なご迷惑をお掛けしましたこと、深く陳謝致します。

なお、この件に関わる私とFacio開発者とのやりとり(公開中止に至る経緯)は、<a href="http://pc-chem.info/2008/02/gamessdd.html">こちら</a>で公開しておりますので、適宜ご参照下さい。

※D&Dできるファイル数の制限を無くす方法等については、単独でいずれどこかにまとめたいと考えております(誰にでもできる簡単なことではありますが)。]]>
        
    </content>
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