Firefly 8.2.0リリース

いつのまにか、Fireflyのマイナーバージョンアップが行われていたようです(8.2.0)。メールで一斉に連絡がありましたが、Newsの方を更新してなきゃ気づきませんてこれ(笑

さて、8.1.1から8.2.0になって、RI-MP2が使えるようになっています。ORCAと違って基底関数のライブラリを作成したり面倒ではありますが、MP2計算を大幅にスピードアップできます。

  1. 後々楽になるので、auxiliary basis setのライブラリを作成しておきます。C-typeのaux-basisをFireflyのページからダウンロードし、txtファイルを一つに統合します。ファイル名は適当に。(私はdef2_aux.libとしています)
  2. 入力ファイルでは$MP2でRI=1を指定し、$RIMP2でEXTFIL=1 AUXBAS=(ライブラリ内で指定している基底関数名)を指定します。
  3. 実行時にオプションで-extbを指定し、引数に1.で作成したライブラリファイルを指定します。

具体的な入力ファイルとしては、例えばこんな感じです。

 $CONTRL RUNTYP=ENERGY MPLEVL=2 D5=1 $END
 $SYSTEM TIMLIM=36000000 MWORDS=268 AOINTS=DIST $END
 $MP2 METHOD=1 SCS(1)=1.2,0.333333333333333 RI=1 $END
 $RIMP2 EXTFIL=1 AUXBAS=def2-TZVPP/C $END
 $BASIS EXTFIL=1 GBASIS=TZVPP $END
 $GUESS GUESS=HUCKEL $END
 $SCF DIRSCF=1 $END
 $P2P P2P=1 XDLB=1 MXBUF=2048 $END
 $SMP CSMTX=1 HTTFIX=0 $END
 $DATA
Thiophene
C1
H    1.0   -2.269964    0.237091    0.000072
C    6.0   -1.225203   -0.046408    0.000078
C    6.0   -0.719576   -1.307703    0.000078
C    6.0    0.719631   -1.307702    0.000078
C    6.0    1.225208   -0.046385    0.000017
S   16.0   -0.000025    1.139204   -0.000101
H    1.0   -1.306242   -2.222468    0.000073
H    1.0    1.306306   -2.222455    0.000071
H    1.0    2.269962    0.237138    0.000004
 $END

上記ケースではRI-SCS-MP2/Def2-TZVPPですね。この記事を書いているノートPCで90秒ほどかかります。

もう少し大きな系で計算してみると、以下のような結果です。アデニン-チミンのワトソンクリック塩基対(BEGDBのS22データセット88番)のエネルギー計算をMP2/Def2-TZVPで行いました。

 MP2 (sec)Total (sec)
Normal449.0810.1
RI23.2383.4

MP2のパートがRIで圧倒的に高速化されてますね。

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