現在、PC-GAMESSはver.6.4が最新版ですが、非公開ながらPC-GAMESS ver.7 がRCまで来ています。今回、ver.7 RCを使うことができましたので、この最新版で可能になったTDDFT(時間依存DFT)計算で、紫外・可視吸収の計算をしてみました。
とりあえず、小さい分子で実験値が明らかなものを計算対象にしてみました。
モデル化学はRB3LYP/6-311+G(3df,3p)//RB3LYP/6-311+G(d,p)。結構大きいです。では、結果を早速。
H2O (実測 n→σ*:167 nm)
125.02 nm (osc.str.=0.1059578,σ→σ*?), 160.42 nm (osc.str.=0.0480617,n→σ*)
Ethylene (実測 π→π*:165 nm)
166.31 nm (osc.str.=0.3283845,π→π*), 175.24 nm (osc.str.=0.1036384,π→σ*)
Acetone (実測 π→π*:165 nm emax=? ; n→σ*:188 nm emax=1860 ; n→π*:279 nm emax=15)
206.82nm (osc.str.=0.0348728,n→σ*), 177.38 nm (osc.str.=0.0036645,n→σ*), 280.17 nm (osc.str.=0.0000000,n→π*)
1,3-Butadiene (実測 π→π*:217 nm)
221.09 nm (osc.str.=0.6377904,π→π*)
結構いい線いってます。電子遷移の計算はab initioでもなかなか難しいといわれていますが、とりあえず上に挙げた小分子の計算結果は良好です。計算は結構時間が掛かっていて、アセトンのTDDFT計算は708.8秒 (11.8分)掛かってます。
ちなみに、水のTDDFT計算の入力はこんな感じです。
$CONTRL SCFTYP=RHF COORD=UNIQUE MAXIT=200 NZVAR=0 DFTTYP=B3LYP1 CITYP=TDDFT $END $TDDFT NSTATE=3 ISTSYM=0 ISTATE=1 $END $SYSTEM TIMLIM=600 MEMORY=10000000 $END $STATPT NSTEP=100 OPTTOL=0.0001 $END $BASIS NGAUSS=6 GBASIS=N311 NDFUNC=3 NPFUNC=3 NFFUNC=1 DIFFSP=.T. $END $SCF DIRSCF=.T. DAMP=.T. $END $GUESS GUESS=HUCKEL $END $DATA Water TD-DFT calculation C1 O 8.0 0.0348292859 -0.0738914311 0.0140741414 H 1.0 0.9213736036 -0.3775660179 0.2321831637 H 1.0 -0.4991608895 -0.8729945510 -0.0298713051 $END
2~3行目の部分に注目。
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