計算のスケーリング

2009-11-14 0

量子化学計算を行う際、当然系が大きくなるとそれだけ計算時間がかかるわけですが、系が倍になれば計算時間も倍かというと、そうはいきません。系のサイズN(通常基底関数の数や単位構造の数をとります)に対して、理論上の計算時間はHFは4乗、MP2は5 [→続きを読む]

芳香族性

2009-05-05 0

高校の化学で習う有機化合物の分類に「芳香族化合物」があります。由来を知らないと何か変なネーミングですが、変なのはそれだけではなく、むしろその化学的性質です。不飽和結合(=π結合)を有するにも関わらず付加反応を受けにくく、むしろ置換反応を起こ [→続きを読む]

ホルムアルデヒドの励起状態計算

2007-11-04 0

分子には基底状態と励起状態があります。多くの有機反応は基底状態で起こりますが、光照射下では励起状態からも反応が起こります。また、紫外・可視スペクトルは共役系の状態を知るために有用な情報を与えますが、これは電子の励起エネルギーを観測しているこ [→続きを読む]

Counterpoise補償法によるBSSEの見積

2007-05-05 0

分子間の相互作用は、計算化学が扱う主要な問題の一つです。単純に考えると、例えばAという分子とBという分子が相互作用してABという錯体を形成する場合、A,Bが単独で存在したときのエネルギーと錯体ABのエネルギーを比較して、その相互作用がどれぐ [→続きを読む]

GAMESSでQM/MM計算

2007-01-03 0

非常に大きな分子を計算するとき、その計算時間を削減する方法としてQM/MM法が現在有力な方法の一つとなっています。大きな分子においては全ての原子が重要ではなく、多くの原子は立体的な影響のみで、電子状態が重要な寄与を果たすのは一部であるという [→続きを読む]

NMR遮蔽定数

2006-04-23 1

分光法による分子構造決定において、古くからIRスペクトルが重要な役割を果たしてきたことは、IRの章で書いたとおりですが、当然、IRだけでは完全に有機分子の構造を決定することは困難であることが多いのは言うまでもありません。IRが化学結合を見て [→続きを読む]