※最新情報や、Windows Subsystem for Linux (WSL)上で動かす場合の環境設定はBlogも参照ください。
ORCAはMax Planck研究所のORCAのページから入手することができます。
- 左側のUser Menu下側にある「Register Now!」から個人情報を登録します(既に登録済みの人は2へ)。
- ログインし、ForumのDownloadsへ進みます。最も新しいバージョンのWindows用バイナリ(serial onlyと書かれているものは並列計算に対応していませんので注意)を選択し、右下のDOWNLOADをクリックします。
- ダウンロードした圧縮ファイルを適当な場所に解凍します。このままでは並列計算はできません。ORCAは並列計算にMicrosoft MPI (MS MPI)を使っています。MS MPIは複数のバージョンが存在しますが、例えばORCA 4.1.0はダウンロードページに「Linked against Microsoft MPI 10.0」と記載がありますので、こちらからダウンロードし、インストールします。
- ORCAの実行ファイルが入っているフォルダのパスを、Windowsの環境変数(PATH)に登録すると、計算がしやすいです。
これでだいたいセットアップは終わりです。マニュアルに記載の入力例を参考に入力ファイルを作成し、コマンドプロンプトで以下のように入力して計算が無事終了すれば、ORCAの実行環境は整っています。(ORCAは入力ファイル側で並列計算をするかどうか指示するので、キーワードとしてPALx (xは並列プロセス数)を加えて並列計算ができるかどうかは確認できます)
orca (入力ファイル) > (出力ファイル)
おまけ:計算の実行を容易にするbatファイル
私は以下のようなbatファイルを作成し、これに入力ファイルをドラッグ&ドロップすることで計算を行っています。
@echo off set exedir=E:\Programs\orca\bin410 set filecount=0 path %path%;%exedir% echo ┌─────────────────┐ echo │ORCA for Windows(x86-64) ver.4.1.0│ echo └─────────────────┘ echo. :start if '%1'=='' goto end set fullname=%~dpn1 set /A filecount=%filecount%+1 echo 《 Job #%filecount% : %~n1 》 echo start : %date% %time% %exedir%\orca.exe "%1" 1> "%fullname%.log" 2> "%fullname%.error.txt echo finish : %date% %time% echo. shift goto start :end echo. echo == All jobs were finished! == echo. pause exit
18行目、出力を切り分けていますがこれは必須ではありません。
ちなみに、ORCAのWindows向けbinaryでは、そのバージョンでの全機能が搭載されていない場合があります。4.1.0の場合、GrimmeのGFN-xTBはWindows版(MS MPI対応)には含まれていません。他にも欠けているfeatureがあると思われますので、注意が必要です。全機能を使いたい場合は、WSL上でShared Library版のLinux binaryを使うのが良いでしょう。
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